介護ハウス考察①

「要介護の親と一緒に暮らす」ための方法として、この移動建築によって「介護用居室の増築」可能性があるのでは。
とスターとした介護ハウスプロジェクト。
でも、どんな人に役に立つのか、その人へどうやって知ってもらうの?
という課題について、考えていこうと思う。



■お客様にササる要因と商品の特徴について

まず、一般建築とC’ZBの異なる最大唯一の特徴が「移動できる」こと。
そしてこの移動によってもたらされる(お客様の)メリットは、大きく4つあるんじゃないかな。
 1.撤去売却 …要らなくなったら撤去・売却できる手離れの良さ(事業縮小、転換、相続、時限的土地活用など)
 2.引越   …持ったまま移動できる資産(ノマド、子世帯への近居、実家の処分、店舗移転など)
 3.短納期  …開業までの時間短縮によるロス低減、即収益化、トライ&エラーの迅速化
 4.規格化  …パッケージでワンクリック購入できる。いちいちオーダーで悩まない=建売を買う感覚

そして介護ハウスや終の棲家たる平屋住宅、趣味の部屋、ミニショップなどは、上記1~4のメリットの組み合わせであり、
その強弱はセグメントごとに異なる、という理解。

ex.
・介護ハウスなら、1と3が重視されるでしょう
・限界集落の建替えなら、2と1
・トレーラーハウスなら圧倒的に2>そして1。
・三協F社などの代表的UHは、圧倒的に4と3偏重型。


■差別化ポイント(コンテンツ)

次に、他の移動建築と比べた際のC’ZBの差別化ポイントだけど、高断熱・自然素材による高い快適性を考えています。

従来型のユニットハウス(左下)は、可動性と安価なことで、土木事務所などの仮設、一時利用建築として普及しています。
コンテナハウス(右下)は最も成功している例ですが、これは移動性よりも独特の意匠性(鋼板がカッコいい)で選ばれています。
トレーラーハウス(中央)は、車輛ならではの建築申請不要をベースに、快適性やデザイン性を付加して宿泊ホテル別荘として遊休地&投資マネーを獲得しています。

そこで。
C’ZBのねらうポジションは、「居室」です。
もともと私たちの暮らしとは縁遠い仮設建築から始まったユニットハウスですが、ホテルや店舗を経ながら徐々に暮らしへ近づいて(慣れて)来ています。そして居室として求められるのは、体に優しい断熱性や自然素材・環境に優しいサステイナブル・心地よいデザイン、と考えた。

一方、そんな住宅性能にもっとも影響されるのは、体力のない老人と子供です。
そして介護は特に、人生の終末期を心穏やかに過ごせるようにするための建築。

だから、伝えるべきベースとなるコンテンツ(商品特徴)が、高断熱と自然素材なのではないか、と。
それは、介護ハウスや終の棲家、Z世代の住宅に至るまでを広くカバーするだろうからです。

この施策によって「C’ZBは高断熱/自然素材の移動建築工務店」という発信に繋がる、と考えたからです。

■競合とのポジション
上図1,2を描きながら、我ながら、わかりにくいなぁ、、、と。
そこで一般/移動建築を含めた競合する商品を、それぞれの特徴ごとに棲み分けを図にしてみました。
「どの事業領域を、どの差別化ポイントをもって、攻めるか」の見える化ができたでしょうか。


       ※災害住宅やコンテナハウスをやる、という意味ではありません。

   

例えば、
・仮設建築ニーズのためのユニットハウス市場へ、居住性を持たせてみる
・既存の増築工事ニーズのなかに、可搬性を持ち込んで「撤去も容易」と謳ってみる

・一般建築に可搬性を持たせたら、どんな問題が解決するか(土地とセットじゃなくても売却可能)

■まとめ
人口減少、高齢化などの構造変化によって、人間としての基本要素、衣・食・住が大きく変化します。
その変化を捉えて、変化に合わせる。

ひいては、変化に合わせるのではなく、変化を創り出す。
そのためには、これらの特徴(コンテンツ)をどう組み合わせるか。



<<関連コラム>>
▼介護ハウス考察② 必要な人ってどんな人?
https://www.czb.jp/column/3293/

▼介護ハウス考察③ 別棟同居のメリット
https://www.czb.jp/column/3339/

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